子供が完璧主義なのは、本来の子供の在り方ではないと私は知っている。
「この子は完璧主義だから」って笑っている親がいるけれど、シリアスなケースが潜んでいることもあると知ってほしい。
そしてもう少し子供の心を知ろうとしてほしいと私は思う。
私の10歳未満のピアノの生徒で、新しい曲を最初から完璧に弾けないことに癇癪を起こし、間違えるたびに顔を真っ赤にしてお腹から叫び、ピアノを叩いたり、手で顔を覆って突っ伏したり、そういう極端な反応をする生徒がいる。
他の先生から移ってきて、1年ほど私が教えているのだけれど、最初はそういう反応がちょっと見え隠れし、だんだんエスカレートして今では毎回レッスンでこういう状態になってしまい、レッスンにならないことがよくあった。
ご家族に報告して誰かが彼に完璧さを求めるようなことは無いか(無かったか)どうかお聞きしてみた。
家庭の中では一切ないとのこと。
そうかぁ、、、。
パンデミックで学校の授業が全てオンラインになってから、おばあちゃんが学校の授業のほかにピアノレッスンにも付き添ってくれるようになったので、おばあちゃんはそういう過激な反応をするお孫さんの様子をそばでなだめてくれていたのだが。
学校の授業でも、少しでもわからないと癇癪を起こすようになって、、、、と話してくれた。
おばあちゃんが親身になってくれて、お孫さんと何に怒りを感じているのか、レッスンの後にじっくりお話したのだそう。
さすがおばあちゃん。
私も自分の祖母にはなんでも話せる気がしたものです。
すぐに私のところに電話をしてくれて、前のピアノの先生が間違うたびに指をペンで叩いていたとお孫さんが話してくれたとのこと。
上のお姉ちゃんにも同じようなことをして、泣いてレッスンを受けたこともあるとおばあちゃんに話したらしい。
完璧さを一方的に突きつけられていたんだね。
でも、要するにその先生が完璧を自分の内に求めて、完璧でない自分を認められず腹が立ち、それを自分の外の子供たちに責任転嫁していたということ。
やっと今、子供たちの心の叫びが誰かに聞き届けられた。よかった。
自分の感情や欲求を満たすことよりも、生徒にとって何が今役に立つのかを淡々と考えることが非常に大切だと改めて思った。
完璧主義の裏側に潜む心の叫びを、大人であろうと子供であろうと、誰かに聞き届けてもらえることが心の癒し、自分への赦しへ繋がるのだと思う。
子供たちの閉じ込められた声のない叫びを聞くことができて、心からよかったと思った。